アーボガストのフラポッパーは、ジッターバグと並んで同社の看板ルアーとして知られる、ポッパータイプのルアーです。特徴はこの胴体よりも大きな頭と、フラダンスの腰ミノのようなスカート。今回はこの独特なルアーの魅力と使用方法について解説してみたいと思います。
くの字を描くマウスカップ。その中の構造も少々特殊で、ラインアイの位置に出っ張りがありカップ内に入った水を下あごで捕まえるようになってます。通常、マウスカップはドーム状につくるはずなのになぜこのような形をしているのか。ここにフラポッパーの魅力、狙いがあるのです。
フラポッパーは軽くトゥイッチすれば、小さな飛沫をあげるポッパーに、しっかりジャークすればドーム状に水を弾き出すポッパーになります。このドーム状の水しぶきが実に美しいため、多くの方はこれがフラポッパーの完成されたアクションだと考えておられるようですが、それではフラポッパーの実力の半分しか出せていません。
このフラポッパーの隠された力、奥義ともいうべき力は、ダイブアクションにあるのです。トゥイッチやジャークではなく、リッピング。しかもスローなリッピングで、カップ内に十分な空気を掴んだまま、10cmほど潜らせてやる。水面で大きなスプラッシュをあげて水中に潜り、水中から大量の空気を吐き出させるアクションが、ランカーサイズのバスが水面の小魚に対し、覆い被さるように捕食したチャガー音を演出することができるのです。
こういった発想のポッパーは、かつてウォーターランドのテクノポッパーなどがあり、池原などでランカー狙いの釣りをする場合に大層おもしろかったのですが、水面を叩き割るような音を出すため「魚がスレる(逃げる)」「釣りの邪魔をするな」などといわれ、いつの間にかチャガー系ポッパーは姿を消してしまいました。しかし、こういったルアーには明らかに活性が高まる状況があるわけで、音が大きいから釣れないということはありません。むしろ、警戒心が強くなかなか釣れないビッグフィッシュに、食性以外の競争心、敵愾(てきがい)心を刺激することで飛びかからせることができるルアーです。
また、移動距離は30cm以内を目標にしてやると、魚が追いつきやすくなります。アクションはネチネチとやるよりも、ベイトを追っているランカーを演出することに重きを置き、ここぞというところですばやく動かして、ストライクポイントを過ぎたら見切られないように即回収というのが基本的な攻め方となります。通常はヘビーカバー周りをドカン、ドカンと撃っていくのですが、リザーバーのドロップオフなどの上で引いてやって、数メートル下のタナにいる魚を引きずり出すという使い方もいいですね。透明度が高い場所では猛突進してくるのが見え、実に興奮する釣りができますよ。
ランカーサイズしか興味がない、3日釣りに行って1本しか出なくてもランカーがいい、そんな方にとって、ポストスポーン(梅雨以降)大変おもしろいルアーです。
釣具のポイントはおかげさまで創業64年。2013年度「九州・沖縄エリア賞」を受賞しました!アボ... |
サイズは5/8ozが基本となります。サイズを下げるほどアピール力が減るため、ビッグサウンドを出す意義が薄れるためです。ただし、リザーバー等の透明度が高い場所ではサイズを下げてやるのも手です。ただ、食性で食べさせようとしているわけではないということだけは忘れないようにしてくださいね。