前回に引き続き、バスの生態を観察したことでわかった様々な話の中で「生エサで釣れない魚を釣れるのがルアー」である。ということを痛感させられたエピ ソードをおはなししたいと思います。何がなんでもリアルイミテーション、ベイトフィッシュフィニッシュのルアーじゃないと嫌だ!という方にこそ読んでいた だきたいですね。

ルアーでは釣れない魚、ルアーでしか釣れない魚

お腹の空いている魚に十分なエサ(ザリガニ)と、ソフトベイトを投げ込むと、バスはルアーには興味を示さない。それはもう明確に。線を引いたかのようにきっぱりと違う対応をします。

私がはじめて60オーバーのビッグバスを手にしたのは日中で、真夏の炎天下という状況。朝マズメや夕マズメといった、バスの活性の高いときではありませんでした。とうの昔に食事を終え、昼寝の体勢に入っているはずの魚が、しかも10年近く野生の中で生き残ってきたモンスターが、エサにも見えない自分のルアーに飛びついたのはなぜか。ずっと疑問に感じていました。

しかしこの実験で、バスはエサを追う際、よほどの勘違いでもない限りルアーには飛びつかないことがわかったわけです。では、十分に食事をし、ザリガニを見ても興味を失った状態ならどうか。食事が終わるまでルアーを見せずにおいて、ザリガニを追わなくなってからラバージグ(+クローワーム)を投げ込むと、バスたちは確認しにくるわけです。さっきまでいなかった新参者が自分たちの餌場を狙いにきたと思ったか、食事も終えたし暇つぶしのつもりなのか、見かけない新顔をジロジロ見る。何度も同じように投げ込むうちに、急にスイッチが入ってルアーを追う魚が出るようになり、針掛かりさせるのも可哀想なので実験終了。

元気なザリガニが底を歩いているにも関わらず、バスがルアーの方に興味を示す状態があるということが証明されたわけです。ここで生エサを投入してもおそらく魚は釣れません。ルアーだからこそ、ルアーでなければ釣れない魚というのがいるわけです。

ここにルアーのおもしろさがある。ルアーゲームの醍醐味は、ルアーというハンデキャップを背負いながら、創意工夫でエサよりもエサな状況をつくりあげることにあると私は思っております。エサよりもルアーが釣れる瞬間というのは、魚の活性が低い不利な状況です。多くの方が犯す失敗として、ここでエサに寄せてしまうと、ますます釣れない。ルアーの強みを最大限活かし、ルアーでしか釣れない魚を釣る。これを矜持としていただければ、みなさまの釣りのスタイルも釣果も、大きく変化されるのではないかと思います。