EX-Tx3
最も優れたフックと最も信頼できるフックは違うというジレンマを抱えたまま釣りをはじめて数年。こんなフックが出てこなければそんな心労もなかったろうに。願わくば、こんなフックは日本が開発して欲しかった。日本には、その技術と発想の片鱗がすでにあったのだから…。というわけで、今回は魚をバラさないためのフックについてのおはなしです。

画像はエクスキャリバーというプラドコ傘下のルアーメーカーが出しているトレブルフック「Tx3」です。ご覧の通り、フックがねじれていることがおわかりになるかと思います。これは多くの日本人に嫌われておりまして、アメリカンルアーファンを自称する方、プロだのデモンストレーターだのいう人たちも避けている「欠陥品」という評価が一般的です。しかしこのフックこそ、現在一番バスを獲り、バラさないフックなのです。

モデルA7A(1/2oz)
パッケージの上部右側(画像では左の上隅)にTx3の表記があるものが該当します


ねじれているフック(ハリ)というのは、漁師が延縄漁をする際に使います。たとえばマグロ漁なんかがそうです。縄を打って、針先にエサをつけ、そのまま放っておく。もちろんアワセる人はいません。しかし、このねじれた針、通称「地獄バリ」はエサをくわえたまま針先が口元にくると、すっぽ抜けることなく引っ掛かる。しかも、ねじれているため、刺さったときと逆方向にねじらないととれない仕組みで、手が使えない魚にとってまさに地獄。もがけばもがくほど深く刺さってしまうわけです。

そんなフックを3つ集めてトレブルフックにしたのがTx3。フッキング率は極めて高く、採用されているプラドコのルアー、例えばヘドンのチャギングスプーク、ボーマー(元はエクスキャリバー)のファットフリーシャッド、ファットAなどは、フックアップが悪いといわれるトップウォーターやアタリを感じにくいクランクであるにも関わらず、勝手に向こうアワセで掛かってしまうほど。

本当にすばらしい(自分でアタリをとってフッキングしたいときにはそうでもありませんが)フックですが、ねじれていることから弱いと考えられているようで、まるで普及しません。しかし、強さについてはお墨付きを与えてよいように思います。私自身、90オーバーのライギョの引きに耐えた実績がありまして、並のフックの強度より上なのではないかと。

ねじれていようがいまいが、フックは製造時の強度としては同じ金属なわけでして、ということは、同程度の強度を発揮すると考えていいのではないか。となると、ねじれているフックはねじれながら刺さる際に複数本針掛かりする可能性が高い分、1本の針にかかる加重は少なくなり、結果的に「強い」のではないか。というのが私の仮説です。

シイラでも釣るの?といわれそうなカルティバ製の極太トレブルフックを愛用している私ですが、今までたくさんの魚を釣る中で、一番強度的に優れ、信頼しているフックがスティンガーの46番や66番。しかし、そこにTx3は受け入れがたい現実をつきつけてくるわけです。ねじれている方が強く、バレないというにわかに信じがたい現実を。確かに効率的に魚がとれてありがたい。ただ、ほんの少しアワセが遅れたり、ジャーキング中の向こうアワセ、スレアワセが増えてくる。ここまでくると、「科学」対「美学」の世界なのかもしれませんが、ロジカル(論理的)に釣りをすることが美学の当サイトとしてはどう扱えばいいのか。なんとも悩ましいところです。

いずれにせよ、明らかにフックアップ能力は上がります。採用されているプラドコのルアーをお買い求めいただき、一度お使いになられてはいかがでしょうか。私は通常太軸フックとTx3で300本ずつ程度釣り比べてみてから結論を出したいと思います…。