ラトリンログ
ラトリンログは、アメリカンミノーの中でも少々特殊なルアーとなる。私が大好きなボーマーロングA14Aとは対をなすミノーで、ロングAがキレのあるジャークベイトであるのに対し、ラトリンログはよりヌルヌルとした動きのデッド・スティックベイトという認識になる。ミノーは春のルアーだと思っている方は、ぜひ晩秋から厳寒期にラトリンログ(サスペンドタイプ)を使ってもらいたい。

デッド・スティックベイトというのは、死んだ魚、死にかけの魚が漂うような動きをすることを指す。キレのある動きのミノーは、視覚の他に水を押す力、突発的なアクションの変化で無理矢理口を使わせるということが得意だが、低活性の魚にはまるで通用しない。特にロングAは激しくアピールしてナンボのルアーのため、まっすぐ引いてきても騒がしい。この動きが真冬にリアクションバイトをとれることもあるものの、アフタースポーンで弱り切っているメスバスや、ナーバスな魚に見せると、あからさまに嫌がることがある。しかし、ラトリンログであれば、「もう死にかけ(死んでる)から食えるかな」とやる気を出す魚がいるのだ。

特にウロコ模様のないタイプのログがいい。ログはウロコがあってこそといわれるが、ウロコがあるとそこに水がからんで動と静の差がはっきりと出てしまう。これではロングAとの差が出にくい。しかし、ウロコのないタイプのログ(サスペンディングリミテッドログ)は塗装厚がそれまでのログよりあるため、ウロコ模様が感じられなくなっている。冬や春の低活性魚を狙うサスペンドミノーをつくると決めたとき、スミスウィックは代名詞であるウロコを捨ててでも魚を釣ることに特化したのだ。この変革を恐れない姿勢と、それだけの覚悟で出されたルアーは、当然よく釣れる。

アクションとしては、ジャークはしない。もちろんジャークベイトとして開発されているオリジナルログやラトリンログはアクションを加えてもよく動くが、動かして獲るという釣りは個人的にはロングAの方が得意だと感じているため、あまり行わない。魚の前へゆらゆらと届け、またゆらゆらと遠ざかる。そんな方法をとる。これは、デッドスローリトリーブでもしっかり泳ぐログだからこそできるアクションだと思う。

ログのように、このルアーにしかできないことがあると、タックルボックスから追い出されることはない。タックルを構築する際に悩む方は多いだろうが、色や形ではなく、そのルアーでなければできないことがあるかどうか、獲れない魚がいるかどうかという視点でルアーを選ばれてみてはいかがだろうか。