ハーキージャーキー
ジャークベイトといえば、ジャーキングをするためのルアー=シャローミノーのこと、というのが日本のバス界の常識ですが、アメリカではジャーキングをするルアーの総称であって、このハーキージャーキーJr.もジャークベイトと呼ばれます。

やたらと大きいですが、これはマスキーやガー、ソルトのバケモノを釣るのに使うため。見た目通りの重さで、約50gもあります。じゃあ、バスには使えないのかといえば、そんなことはありません。(ハーキージャーキーJr.の親玉、ハーキージャーキーは6インチ3ozなのでかなり厳しくなってきますが)

平べったいボディから、比較用に置いてあるスポットのようなリップレスクランク的な動きをすると考えられる方が多いのですが、ノーズアイタイプのため、姿勢を維持しながらバイブレーションするのは苦手です。ジャーキングをすることでスイッ、スイッと滑るような形で移動します。ミノーのジャーキングのようにロッドを動かしたときだけダートし、ロッドを止めればピタリとその位置で止まるというアクションではありません。自分の重さと慣性で、ロッドを止めてもしばらくは大きく移動を続けるわけです。

今まではルアーを大きく動かそうと思ったら、リッピングといってロッドを一気に引きつつ、リールを巻くという方法しかありませんでした。しかし、この方法ですとポイントからルアーが大きく離れてしまう。水中でペンシルベイトのようなピンポイントを狙う動きをしつつ、なおかつ大きく動かしたい。そんなコンセプトで作られたのがハーキージャーキーなわけです。水中でザラのウォークザドッグアクションをやらせると考えていただければイメージしやすいかもしれません。大きく動くけれど、ポイントからあまり離れない。これが重要なんですね。

目の前を小魚が一気に通り過ぎる、逃げていったという演出をする場合、リッピングはワンチャンスですが、このジャークベイトであれば何度かストライクのチャンスをつくることができる。これは大きなメリットです。ジャークをする場合は、ラインスラックを多めに出して、ルアーの慣性に任せた動きをさせるといいでしょう。

余談ですが、もしクリア系のタイプのハーキージャーキーを購入された方は、ぜひラトルが入っている位置を見ていただきたいと思います。ルアービルダーの苦悩がわかる、横方向のラトルルームと縦方向のラトルルームがあるはずです。沈降姿勢、ジャークのスライド幅を殺さないよう、ラトルと競合しないよう、工夫した結果がこの不思議なラトルルームなのです。こういった、ビルダーが何を考え、そこからどうすれば一番釣れるのか(ビルダーが最も効果的だと思う使用方法なのか)を類推するのもルアーゲームの楽しみのひとつです。ぜひ一度ご覧いただけたらなと思います。国内で店頭販売がある店、2店舗しか知りませんがね…。