冬クランクベイト
冬にクランクベイトで魚を手にしたい。そんな方に送る、「釣れるクランクベイト」特別編。冬のバスから春先までのバスをクランクで釣るために必要な考え方とルアーを簡潔にまとめておきましたので、ご参考までに。

冬はやっぱりディープクランク

冬はディープに魚が落ちるのでディープクランク。これは正解です。正解なのですが、どのプロがいっているのを見ても、手前味噌クランクの押し売りみたいな発言ばかり。夏や秋に同じクランクが釣れる、ヒラ打ちアクションが効く!いった口で、冬のバスも同じルアーでとれるというのですからおめでたいものです。

私は勝手にヒラを打つクランクが大嫌いです。ちょっとした障害物、ジャークでヒラを打つ。それは裏を返せば、著しくバランスが悪いということです。ヒラ打ち特化のクランクとやらを高速リトリーブしますと、くるくる回るなんてことが起こる。重心移動システムがバランスを崩させているだけなのに、ヒラ打ち特化だなんて臆面もなくいうわけですから、一種の詐欺です。狙ったポイントまで一気に潜らせたいのに、それができない。クランクは手返しがいいってのはウソですか?と。

こういったクランクで平気な顔をしている人の釣りは、遠投し、長い距離を巻くうちにどこかで魚が掛かればいいという釣りです。どこそこに地形の変化があるから、この1メートルくらいの範囲に魚がいるはずだ。その一点だけノックして魚をとろう。というような、クランクだからこそ可能な効率重視のシステマチックな釣りを知らない人間の釣りです。

クランクがヒラを打つと、ときには1m以上跳ね上がります。跳ね上がっている間もリールを巻けば、バランスの悪いルアーはくるくる回ったり、意図しないダートアクションを続け、どんどん浮き上がってくるわけです。底を叩けないなら、何のためのディープクランクなんでしょうか。1m跳ね上がれば、底を再度叩くまで3m以上泳いできてしまう。その間のボトムのポイントはデッドゾーンになってしまうわけです。まるで役に立ちません。

魚探を見て、どこに岩があって魚がついているとわかっているなら、そこだけ攻めればいいので、ヒラ打ち特化のクランクでもいいのでしょう。しかし、広範囲のディープポイントで、自分で魚を探す釣りをするならば、ボトムにデッドゾーンが生じるクランクは使えないのです。同じところを何度も距離を変えて入れ直すなんてことをしていては、クランクを使う意味がありませんからね。

そこで私が愛用するのがおなじみのファットフリーシャッド。このルアーは「シャッド」の名が示す通り、通常のクランクより少し平べったくなっており、バランスが良いためヒラを打ちにくく、デッドゾーンが少なく済みます。4〜5mラインを引っ張ってきて低活性の魚を釣りたいのであれば、これをおいて右に出るものはいないのではないでしょうか。

ファットフリーシャッド
冬の低活性の中、潜航効率がよく、ヒラを打たないこのルアーは、じっくり魚に見せていくことができるのが強味です。特に愛用しているのがBD7Fというモデル。カラーは年中通して使える青チャート、ファイアータイガー、リアルクローなどの黄色や赤と、冬場に強い(たまたまかもしれませんので、気がするくらいに思っておいてください)チャートリュースシャッドとダンスシトラス。

ヒラを打たないクランクを使えば、こんなに効率的にボトムがとれるのか!と感激されるはずです。また、5mはちょっとディープ過ぎるなというかたは、ファットフリーシャッドの小型のものを選ばれるほかに、モデルAという手もあります。国産ルアーじゃないと嫌だ!という場合は、レアリスクランクの11Aが3mラインを引っ張ってこれますから、こちらでもいいかもしれません。ただ、私が狙う冬のディープクランキングとしては、ファットフリーシャッドをイチオシさせていただきます。