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画像はサイレントじゃないクランクも多数ですけども、なぜサイレントクランクが
釣れるのかについてのお話です。サイレントクランクを知るためには、まずはラト
ル有りのクランクについて知っておく必要があります。
 
ラトル音には二種類あって、ひとつはハイピッチ。ジャラジャラと小さな金属球が鳴る
タイプ。もうひとつはローピッチ。ゴトゴトという大きなラトルが鳴るタイプです。ワ
ンノッカーはローピッチの最たるもので、1つのラトルがボディ内を移動し、ガツーン
と小気味好く音をたてるものです。経験上、サイズを問わなければハイピッチが一番釣
れます。小バスほどハイピッチラトルが大好きで、かつてのウォーターランド社の金属
ルアーはみんなこのタイプ。それはそれは一日中トップで小バスが出続けたりもしまし
た。


一方でやかましいハイピッチラトルを嫌う魚もいます。ボーマー社のファットAや、シャ
ローAを巻いてくると、1年生バスたちがわらわらと追ってくるのに、40センチを超える
魚は無視。微動だにしないということもある(池原で確認済)。互いに見えていたから
ともいえるかもしれないが、私個人としての見解は、音を出しているものが目視で確認
できてしまっては興味も半減なのだろうと。つまり、クリアウォーターでは音を発する
ルアーを探す必要がなく、目視ですぐに見つけられる。一方でマッディウォーターであ
れば、探さなければ見つからない。探しまわっているうちに目の前をルアーが通るもの
だから、ついつい興味を持って触ったり、うるさいぞと威嚇の一撃で針掛かりしてしま
うというわけ。クランクでは異様に食いが浅い日ってのが出てくるのは(ラトル音が)
「うるせー!」とケンカを売ってきた魚が運悪く針に掛かっちゃうからなんです。


つまり、興味を持たせ、探させ、口を使わせる(食性でも威嚇でも)という3つのプロ
セスでクランクは魚を釣っているということになります。これはクランクに限りません
が、まあ、バスを釣るにはそういう過程が必要だと。


さて、やっと本題なのですが、アメリカのバスプロはサイレントクランクが大好き。そ
れを真似だけして日本でもサイレントクランクが人気になりつつありますが、根本的な
部分を理解しないままに使っても釣果は伸びません。先ほど述べましたとおり、魚を釣
るには3つのプロセスが必要。そして、魚は大きくなるほど賢くなるわけで、ルアーの
音を頼りに探すのが上手くなる(エサを探すのが上手い魚だけが大きくなれるとも)。
結果、ラトルジャラジャラでは大きい魚が捕りにくいという状況は少なからず出てくる
わけなんです。うるさいと一瞬で見抜かれてしまうんですね。なんだ、ルアーか…と。
スレているというよりも、トリックや犯人を知っているミステリー小説を読んでいるよ
うな感覚なのではないでしょうか。興味の持ちようがないわけです。そこでアメリカの
バスプロはサイレントクランクを持ち出し、クランクを魚のそばまで静かに近づかせ、
ルアーかどうかの判断する時間も与えず釣るんです。ルアーが寄ってくれば、側線とい
う魚にとっての耳の部分でわかりますから、「何か近づいてきているな」と魚が思った
次の瞬間、目の前をサイレントクランクが横切るという寸法。人間様がチャリーンと音
がしたらその方向を見るのと同じです。手や足の届く範囲でチャリーンと音がしたらと
りあえず拾うでしょう。魚には手はありませんからね。その動作を口でやる。口でやっ
たらハイ、おしまいよと。


せっかくのサイレントクランクなのに、ボトムにガンガン当てちゃってる人がいるんで
すよね。クリアウォーターでサイレントクランクだ!となったら、ボトムノッキングは
最小限にしましょう。バスプロなんかがボトムノッキングがどうのこうのといいますが、
ただひたすらガンガン岩に当ててるだけ。ヒラを打たせるのが偉いと思っているかのよ
うなバカのひとつ覚えをやりますが、アメリカのバスプロはそんなそんなクランクの使
い方はしません。潜航率と潜航深度を考え、魚がいるであろう場所にファーストタッチ
で攻められるように狙います。ボトムを叩くのは多くても2〜5回。魚のポイントへ直撃
することにこだわる人もいますから、音はたてないのです。サイレントの意味がなくり
ますのでね。ちなみにこれはサイレントに限らず、ラトル有りでもやっている人が多い
ですね。


以上、サイレントクランクがなぜ釣れるのかを運用法と合わせて書かせていただきまし
た。ポイントは「気付かせるけど見切られない」こと。この案配が難しいのですが、こ
のかけあがりに点在しているあの岩のカドにクランクを送り込んで、ボトムを叩かせて
釣る!というストーリーを描いたうえで、その通りに魚が出てくれたときの感動はなか
なかのものですよ。ルアーフィッシングならではのものです。ぜひ一度、皆さまにも味
わっていただきたいものです。



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