スピニングリール
画像は2012年のアルテグラです。「1万円少々のリールかよ!貧乏人ハズカチーw」
だなんていう人もいるようですが、リールってのは同じ性能のものを作るのであれば、
5年前の製品と同程度であればコストは半分、10年前なら更にその半分になるといわ
れておりまして、今1〜2万円のリールは10数年前の最高級品、ステラとタメを張れる
レベルだったりします。魚は釣り人のリールを見て食うか食わないかを決めたりしま
せん。また、高性能化が進んだ結果、昔より何倍も魚が釣れるようになったかといえ
ば、そんなこともありません。今回はそんな話を昔話を交えてしたいと思います。
 
私は80年代からの釣り野郎で、その当時海用に使っていたリールはなんと70年代後半
の製品。今から数えて約40年前のリールなんてものは、巻けばバタつき、ローラーの
性能も低く、ライントラブルが頻発していました。それでも魚はちゃんと釣れたんで
す。今、釣り竿とセットで売られているような、初心者向け釣りセットのような製品
で、クロダイを釣ったり、大きなサバを釣ったりできていた。1990年ごろからは、バ
スフィッシングもはじめ、シマノというメーカーがなんだかいいリールをつくってい
るらしいからとスピニングを買ってせっせと投げました。20年前のことです。20年前
のリールだからバスは釣れないかといえば、そんなことはありません。当時はランカー
サイズを何本もあげていますし、今年だって幼いころのオールドタックルで釣ってや
ろうと竿を出し、数十本のバスを釣っています。古い物は釣れないというのは明らか
に間違いで、釣具メーカーの戦略にやられているとしかいいようがありません。当時
を知る私からすれば、今の「アルテグラ」のようなリールは、むしろ過分なくらいで
す。


なめらかなドラグの滑り出しがどう、ラインスラックがどうと語られますが、それが
なければ魚が釣れないわけではありません。現に私は釣っていたわけですから、実感
と実績として理解できているのですが、いかんせんここ10年ではじめた方にはそれが
わからない。そして、気付かないように上手く仕向けられている。いい道具なんてい
りません。笹にタコ糸でナマズを釣ったりしたこともある私がいうんですから間違い
ありません。10万円のリールと、1万円のリールに10倍の性能差はありませんし、釣
果も10倍にはなりません。ハッキリ申し上げまして、倍どころか5割増にもなりませ
ん。そんなに違うならアンタレスを持っているのに、スコーピオンXTばかり使った
りしません。使っている道具の性能は、最低限の部分を抑えていればいいんです。日
本人は特に「高いから売れる」なんてことが起こる民族ですから、声を大にしていっ
ておきます。最低限の性能を備えていれば、価格と釣果に相関はほぼありません。



【アイテムセレクション】
オモチャみたいな道具で釣るからこそ楽しいということだってあるわけです。ワカサ
ギ釣りなんてのは代表的ですね。あんな魚(なんていうと失礼ですが)、糸と針だあ
れば、竿もウキも要りません。でも、ミニリールとミニロッドだったり、パソコンの
マウスのような電動ロッドがあったりする。そこは「遊び」の世界なんです。遊びと
理解して高い金を払うならいいのですが、バスの世界では高くないとそもそもダメと
いう風潮が強い気がします。道具の価格で魚が釣れるわけではありません。