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スピナーベイトはあらゆるルアーの中で一番釣れるルアーなのですが、その効果や
運用法はまるで理解されていないのが現状です。これはひとえに、弱いルアー信仰、
弱いタックル信仰が行き過ぎて、スピナーベイトの巻き抵抗に耐えられる道具での
釣りが減っているからでしょう。それでも私は時代に逆行して、このルアーの有効
性を説きたい。なぜって?そりゃあ「一番釣れるルアー」だからです。


【スピナーベイトの種類(ブレードの形状)】

スピナーベイトは小さなものを使えば、小さい魚が釣れ、大きなものを使えば大きな
魚が釣れる、サイズを選べるルアーです。スピナーベイトには1枚目の画像のような
シングルコロラドを筆頭に、シングルウィロー、コロラドウィロー、ダブルウィロー
の4種類があります。このほかにブレードの形や、ワイヤーの形、ダブルコロラドと
いったものもありますが、基本的には4種。その中で、はじめてスピナーベイトを選
ぶ方が買うべきルアーは2つ。ひとつは、シングルコロラド。もうひとつはダブルウィ
ローです。


【シングルコロラド】

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BOOYAH社 ブーヤーブレード 3/4oz
圧倒的なブレードの存在感で、超広範囲に探れる大型シングルスピナーベイト。
巻物用の強いタックルでなければ運用が難しいものの、スーパーディープでの
スローリトリーブや、立ち木や橋脚まわりでの落とし込みでは必要不可欠。特
に晩秋に強く、ランカーサイズを選んでとることができる(小さい魚は逃げて
しまいます)。 フォーリング中のヘリコプターアクションに定評があり、この
瞬間にアタリが出るので、ラインでアタリをとるように心がけよう。サイズラ
インナップとして、1/2、3/8、1/4ozとあるが、小さな野池では1/4がオススメ。
初心者が一番はじめに投げるべきスピナーベイトであり、その際は3/8ozから
はじめるとよい。

【シングルウィロー】

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RapaLa社 ターミネーター 3/8oz
硬めのワイヤーとシングルウィローで、立ち上がりがよく、水深の浅い水域で
使用するために購入。ぷるぷるという小気味好い振動が手元に伝わる中型スピ
ナーベイト。(日本国内での取扱いはない模様です)

【コロラドウィロー】

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BOOYAH社 ブーヤーブレード 1/2oz
コロラドブレードの水をつかむ強さと、ウィローリーフブレードの水中を滑る
ような動きを併せ持つのがコロラドウィローの特徴。ある程度の水深がある場
所を、すばやく探りたいときに重宝する。ブレードの数はシングルよりも多い
が、手元に伝わってくる感触はシングルよりも少なくなるので、スピナーベイ
トの釣りがかなりわかってきてから使うべきルアーかもしれない。

【ダブルウィロー】

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ヒルデブラント ティンローラー 1/2oz
ヒルデブラントというのが正式だが、「ヒルデブランド 」と呼ばれることが
多いこのルアー。ブレードに純金メッキを施すなど、ブレードへのこだわり
はピカイチであることはもちろん、ワイヤーの硬さ、長さ、スカートの品質
も世界最高水準。ティンローラーのティンとは、金属の錫(すず)のことで
あり、普通のスピナーベイトが用いる鉛と違って、ゆっくりと沈む。このた
め、より小魚を演出しやすく、ほかのルアーとは一線を画す釣果をあげるこ
ともある。海外のルアーとしては少し値は張るが、国産のダブルウィローを
買うくらいなら、こちらを揃えたほうが「絶対」にいい。何を隠そう、ダブ
ルウィローの中で私が一番ランカーサイズを釣っているルアーがこれなのだ。

 
かれこれ50種類ほどのスピナーベイトを投げてきた中で、やっと得られたひとつの
答えとして、上記の4つのルアーを挙げさせていただきましたが、国産ルアーがいい
よという方もおられると思います。そんな方にはノリーズ社のクリスタルシリーズを
オススメいたします。特に今回紹介していないダブルコロラドはクリスタルSとヒル
デブランドのティンローラー(ダブルコロラド)が釣果の面で二分するほどで、国内
での入手が用意な分、ノリーズに軍配といったところです。


【スピナーベイトの重さと色】

スピナーベイトの重さは様々ですが、はじめて使う方が選ぶべきは3/8ozです。ただ
し、気をつけなければならないのは、スピナーベイトの重さの表記はヘッドの重さ
だということ。つまり、ブレードにフック、ワイヤーやビーズ、スカートの重さを
含みません。ここにトレーラーのワームを付けたりすれば、十数グラムも重くなる
わけで、3/8ozまでしか投げられない竿ではどうにもならないということになります。
私は1ozのスピナーベイトを投げるのに使う竿は、40gまで投げられる代物で、それ
でもかなり辛く感じます。3/8ozを投げるなら、18gまでは余裕をもって投げられる
竿が欲しいところです。


次に、スピナーベイトの色ですが、基本はブレードはゴールド、スカートはホワイト
となります。これも釣果の関係で、シルバーブレードはゴールドに比べて釣れない。
これは、水質の関係もあるのでしょうが、全国どこでも使いたければ、ゴールドを選
ぶことをオススメいたします。魚がシルバーが嫌いなのかどうなのか、一度聞いてみ
たいものです。


また、ホワイトのほかにチャート(黄色)、ブラックあたりがオススメで、特にブラッ
クはシークレットルアーになる要素を秘めています。朝一の夜も明けきらない時期に、
トップではなくシングルコロラドのブラックを投げる。これで楽しい一日を迎えられた
ことが何度となくあります。ブレードも可能であれば黒のものがオススメです。1枚目
の画像右側のスピナーベイトが丁度そうですね。ムーントーカーという製品です。


スピナーベイトのカラーに迷われたら、こちらの早見表をぜひご活用ください。
【スピナーベイトカラーセレクター】


【フック理論】

日本のスピナベはフックが小さすぎる。これはあまり知られていません。スピナベが釣
れないのは、ブレードに食いついてもフックが小さいために針掛かりせず、違和感を覚
えた魚が吐き出したらそれまでなためです。アシストフック、トレーラーフックを使う
のが一般的ですが、そもそもスピナベ使用者が少ない日本では、トレーラーフックを用
意している人は稀です。


本場のアメリカではどうしているかといえば、プロはトレーラーフックを使う方も多い
ようです。一方で、そんなチマチマしたことが大嫌いなアメリカンやメキシカンは、小
せえフックなんか使ってられるか!!というわけです。そのため、アメリカのスピナベ
はフックが大きい。魚が食えばしっかりフッキングできる。画像にあるように、もはや
凶器。カツオやブリでも狙うのかといいたくなるようなビッグサイズ。これだけ大きけ
れば、フックが伸びることもありません。私が日本のスピナベをオススメしないのは、
こういうところにあるのです。 


【まとめ】

以上がはじめて使うべきスピナベのお話ですが、いかがでしたでしょうか。後は信じて
投げるだけ。投げなければスピナベのテクニックは身に付きません。どれくらいの速度
で巻けばいいかなどは、ルアーごとに特性があるのですから、一般論では語れないので
す。とりあえず購入し、釣り場へ行って、今日一日スピナベだけ投げると誓ってくださ
い。それだけでOKです。スピナベ愛好者が増えることを願ってやみません。もちろん、
皆さんの釣果アップも願っておりますがね。