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ボーマーモデルAはそうですね、もう20年以上の付き合いですか。これを超えるクランクって何があるかな?と考えたとき、ファットAであり、ファットフリーシャッドであるんですが、どちらも特定の状況下で強い瞬間最大風速的ルアーで、完全に凌駕しているとは言い難い。そんなこんなで相変わらず、いつでもどこでも同じように釣れるという安心感から一番付き合いが長いクランクがモデルAの6A、そして8Aです。

皆さんは20年付き合えるルアー、20年後も売っているルアーを持ってますか?これはとても大切なことです。皆さんの釣りの根幹になるもの。釣りの組み立てにおいて、基準となるものがあるかないかで釣りの理論、ひいては楽しさがまるで変わってきますのでね。

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“モデルAの前にクランク無し モデルAの後にクランク無し” ー 某バスアングラー


こんな持ち上げ方をしていて何なのですが、私のタックルボックスの中では実用面においてファットAにその座を奪われたモデルA。しかし、未だに理解できずに混乱しているのですが、ボーマー社(親会社のプラドコ)がファットAを廃盤にしたために、再び脚光を浴びることとなった古豪です。工場のキャパが足りないなら、ファットフリーシャッドファミリーを減らして、ファットA生産すればいいのに…と何度思ったことか。

クランクはサイズを選べないのですが、モデルAはサイズが選べるんです。割となんですがね。小さいのばっかりやたら食ってくる日というのは稀で、こいつを投げて小さいのが連発したら、その水域には大きいのはいないなと思える。そんなルアーなんですね。大きいのというのは、40くらいから。ファットフリーシャッドのように、50前後の魚を狙うルアーではありません。モデルAには60クラスは食ってきません。非常にいい動きをするのですが、大きいのが食わないのは、やはりボリューム感の問題なのでしょう。ファットフリーシャッドは缶コーヒーぐらいありますからね。

一方、モデルAを一軍スタメンから追いやったファットAは、魚のサイズが選べないんです。ラトル音が魚を寄せてしまう。かなり大ぶりのルアーにも関わらず、です。特に小さい魚ほどファットAの動きと音が大好きで、食いついてきてしまう。だからこそサーチルアーとして使っているのですが、その水域に大きいのがいるとわかりきっている場合に弱ることになります。その点、モデルAは強い。大きいのがいると思えるところに通せば、他の魚が寄る前にとれる(ことがよくある)のです。


ファットフリーシャッドも同じなんですが、基本的に地味なんですよ。他のメーカーのクランクはなんといっても派手。ヒラを打たせる構造がどうのとやっている。でも、大きい魚はそんなものにはダマされない。ルアーかエサかの見切り同様に、リアクションバイトの率もグッと減る。本当に賢い。そんな魚を相手にするときは、妙な動きをするよりも堅実な動きをするルアーの方が釣れたりする。ミノーで大きい魚って釣れないんですよ。あれもきっと同じ理由で、トリッキーな動きをすると、追いかけまわす犬型の習性の魚しか食わないわけです。得てして犬型の魚は大きくなれない。効率が悪いですからね。一方、大きくなる魚は猫型です。一番いいところに陣取って、目の前を通過するマヌケなエサだけを食う。こういう考えの魚なので、トリッキーに動くと「気付かれたな、こいつはヤメよう」となる。50センチのランカーをかけたとき、真横から60近い魚が口から出ているプラグを横取りしようとするなんてシーンがあるわけですが、これだって「他人が狩った魚を奪った方が効率的」だから故の行動なんですよ。魚のサイズが選べるルアーは、地味で堅実なんです。


じゃあ、堅実に泳ぐルアーを作れよってハナシなんですが、これがまた難しい。次回にでもお話しますが、クランクやミノーにおいて、飛ぶことと堅実な泳ぎは両立しえないんです。重くするためにシンキングにするか、やたらめったらサイズを上げるかしかない。こうなったら日本の市場では売れません。飛ばないルアーは売れない、日本の飛距離信仰と、小さいルアーしか売れない市場の中で、泳ぎを重視するために重心移動システムを捨てるのはナンセンス。ボーマーのモデルAやラパラは海外のルアーですから、泳ぎのために平気な顔で捨て置いてますがね。


もし、重心移動システムを採用して飛距離も泳ぎも完璧なルアーが出てきたとしたら—。
そのときこそ「モデルAの後にクランク無し」という格言が死ぬときなんでしょうね。


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