ナイロンラインは初心者臭いという人がいますが、価値観の問題でもなんでもなく、
「糸フケがある状態だと圧倒的にナイロンの方が感度がよい」のです。初心者は適当
なラインテンションを保つことができませんので、PEを使っても仕方がないんです。
更に、風が出てきたですとか、軽いシンカーでゆっくり落とすといったフォーリング
中の糸フケ、魚が下から食い上げた場合や、自分の方に泳ぎながら食ってきた場合の
糸フケに対して、適切な対応ができなければPEのメリットなんて消し飛びますし、そ
れどころか初心者と笑ったナイロンラインのガキンチョにボロ負けするわけです。

 
ついでにおもしろい話をひとつ。運転免許証センターで、あなたは運転は上手いです
か?と聞くと、ほぼ半分の人間が平均より上手いと答え、残りの半分が平均だと答え
ます。おかしいですね。ありえないんですよ。世の人間は、自分は下手なのに気付か
ないんです。認めたくないんです。まず、そういったくだらないプライドや固定観念
から捨てましょう。ナイロンを使ってください。スピニングにはナイロン。ワームに
はナイロンです。初心者が釣れるんですよ?中級者以上が使ったらどうなるか。考え
るまでもないですね。巻物専用タックル以外はすべてナイロンでOKです。


どうしてこんなことが起こるかですが、ひとつは比重です。ゴチャゴチャした部分は
置いといて、比重の関係で糸フケに強いとお考えください。で、比重の関係でおよそ
20%増でナイロンの方が感度がよろしいのです。その差は距離が出るほど顕著になり
ます。バスボートでもって、5メートル程度のピッチングしかしません。常に糸フケ
なんてありませんというのであればいざ知らず、エイヤッと沖に投げ、更に沈めて釣
りをするオカッパリバサーにはPEなんてまるで必要のない糸なんですね。ボートの
釣りは、陸に向かって投げますよね。水深の浅い方に投げるんです。我々とは根本的
に違います。バスプロのいうことは聞いちゃいけないんですねェ。


蛇足になるかもしれませんが、陸から釣る人間は何本も竿を持って歩くわけもないの
で、基本的にナイロンだけで構いません。スピニングで巻物をやる人は少ないでしょ
うから、スピニングにPEという選択肢はないはずです。加えて、トラブルが起きた
際に替わりの竿がないのですから、ベイトにPEという選択肢もかなり減るでしょう。
なんでもやれるはなにもできないのと同じだ。なんていわれますが、バーサタイルの
ベイトロッドとライトないしウルトラライトのスピニングを一本持っていれば、釣り
は成立します。釣具屋やプロが、買え、買えと執拗にいってくるパワーロッドやフィ
ネスロッドなどは、なくても腕でカバーできる範囲のもの。ベイトとスピニングにナ
イロン巻いて、なんでも投げればいいんですよ。


この他にもラインについては一家言ございますので、また機会があれば書いてみたい
と思っております。それでは、皆さまの釣行の安全と成功を祈っておりますよ!