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※本ページは不定期クランク連載企画のページです。
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クランクベイトはスピナーベイトと巻物系ユーザーを二分する人気ルアーです。
日本ではバイブレーションプラグなどと呼ばれているルアーは、アメリカではリップレス
クランクと呼ばれます。リップのないクランクですね。クランクベイトはリップで水をつ
かんで泳いでいると思われがちですが、実はルアーの頭部から背中にかけても水をつかむ
効果があります。バイブレーションプラグもまた、頭から背中に向けて水を受けて潜るよ
うな姿勢で泳ぐように設計されています。また、ディープクランクが一般的に大きいのも
同様の理由で、水を受ける場所が広ければ広いほど、急激に潜るからなのです。

さて、クランクベイトで釣れないという方のために、簡単ではありますが、クランクベイ
トの解説をさせていただこうかと思います。信じるも信じないもあなた次第。そして、信
じることがこの釣りには必要不可欠な要素でもあったりするのです。


これから、以下のようなプログラムでお話を差し上げます。不要と思われる項目は、読み
飛ばすことを推奨します。自信こそがクランクの釣りにおいて最大の武器となりますので、
「俺には不要」と思えるだけの根拠があれば、人の意見など聞かずに釣り続ければいいわ
けです。では、プログラムをば。現時点では全5回ですが、今後増えるかもしれません。

  1. クランクベイトの基本理論
  2. はじめに選ぶべきクランク
  3. 水中を理解できているか
  4. クランクとタックルの関係性
  5. カラー理論

さて、第1回として今回はクランクベイトの基本理論についてお話します。
そのためには、最近はまるで聞かなくなった「パイロットルアー」と「ワークルアー」の
理論から触れなければなりません。パイロットルアーは、サーチルアーとも呼ばれ、その
日の魚がどこにどうやっているのかを探るために使うルアーです。探るルアーなのだから、
スピナーベイトやクランクが該当すると考える方が多いのですが、これは誤り。私はその
日に攻めるポイントや状況が整えば、朝からノーシンカーのジャークワームを投げます。
立ち木がウジャウジャあって、その他になーんにもないリザーバーなどでは、一日中画像
右下の「バスアサシン」を投げて終わることもあるんです。ワームをパイロットルアーに
して魚を探し、魚がどこでどうしているのかがわかれば、ワームをワークルアーとして使
う。一見して同じことをしているだけのように見えますが、やっていることは時間ととも
に変化しているのです。


クランクベイトで釣る場合を例にしますが、浅い場所から深い場所まで、どんなストラク
チャーについているか、どんなときに食ってくるか、食っている魚が大きいか、小さいか、
丸呑み状態で釣れたか、ちょっと小突いたら針にかかってしまっただけか…という情報を
パイロットルアーとして使用している段階で得るわけです。次に、そこから得られた情報
を元に、一番効率よく魚を釣る方法を選び、やり続けるのです。クランクの釣りで自信が
大切だというのには、この「自分の判断を絶対的に信頼できること」が必須条件であるか
らなのです。誰かがいいルアーだといったから使っているなんてものでは、いつまで経っ
てもバクチ釣りしかできないままです。結果、ハードベイトは釣れないなんて悲しい結論
を出してしまい、釣りの幅を狭くしてしまう。こうなれば最後、ますます釣りは上達せず、
おもしろさは減じる一方となります。自分で考え、選び、自分の釣りに全責任を負うこと
が大切です。魚のせいにしたり、ルアーのせいにしてはいけません。自分を追い込む釣り。
それがクランキングです。


クランクが活躍するのは、ディープエリアでの釣りともうひとつ。ストラクチャーから少
し離れたところにバスがついているときです。ストラクチャーにタイトに魚がついている
場合、クランクベイトでは攻めきれません。シングルコロラドのスピナーベイトの出番で
す。クランクは、立ち木やアシ、大きな岩の周辺、藻玉(藻のドーム)の中に魚がついて
いて、比較的活性がよく、ストラクチャー周辺から魚が飛び出してくる場合に強いルアー
です。


こういった釣りをしてもまったく反応がなければ、活性が悪いか、よりタイトな攻めが必
要と考えたり、エリアを変えるなど判断材料と行動の変化が可能です。ところが、朝から
ライトリグ(ワークルアーのみ)でちまちまやってしまうと、判断材料が得られないわけ
ですから、なんで釣れなかったかの理由すらつかめずに終了となりかねません。また、仮
に釣れたとしても、そこで釣れただけで、次の魚を狙う際に最初からやり直しとなります。
これでは非効率的ですよね。

クランクは探す釣りに使うもので、食わせる釣りには向きません。また、そこにいる魚を
根こそぎ釣るような釣りもまず不可能です。だからこそ、分析力と判断力が必要なのです。
そして正しく分析ができれば、ワークルアーの釣果が跳ね上がる魔法のルアーでもありま
す。今日はワームの日だな!と判断すればワームを選び、今日はこのままクランクで食う
ぞ!と思えば、転々と移動してクランクを引き倒せばいいのです。


今はまだ何をいっているかわからなくても、クランクをパイロットルアーとして30本程度
釣り、その後のワークルアーで100本程度釣れば、自然と理解できるようになります。ク
ランキングは経験がすべてです。ストイックな知的ゲームです。努力しない人には生涯釣
れない恐ろしいルアーです。まずはクランクを投げ、判断材料を集めてください。このと
き、ノートやメモを忘れずに。どこでどうして釣れた、釣れなかったという情報は非常に
重要です。特に釣れた場合の情報は、その後の行動(ワークルアーをどうしたか)の選択
まで含めて自分の釣りを固めていく上で最高の判断材料となります。


いいですか、努力したものにしかクランクの釣りは微笑みません。当てずっぽうで釣るだ
けで満足ならば、クランクなぞ買わずに、味付きワームをお買い求めください。一級ポイ
ントに投げていれば、そのうち釣れますからね。


さて、次の章では、このストイックな釣りをはじめてみたいという方にオススメなクラン
クをご紹介いたします。