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私は基本的に魚がルアーを「エサだと思って食う」ことはほぼないと考えています。
というのも、エサとルアーでは明らかに魚の反応に差があるためです。

魚がルアーで釣れるのは、

・目視確認を怠ったり、できない状況で飛びかかってしまった(リアクションバイト)
・縄張り意識や興味が高じて口を使ってしまった
・(若い魚などが中心で)食べられそうだと思ってしまった


場合の3つに分類されると思っています。もちろん、魚に聞かないことには真相はわかりませんが。


リアクションバイトはマッディウォーターなどでよく起こります。
スピナーベイトが頭の上を通り過ぎていった際にたまらずゴツンというやつです。
クランクやバイブレーションなどのラトル音を頼りに追ってみて、
射程に捉えた瞬間に食ってしまうパターンや、
水面に意識が向いていて、何かが落ちた途端に飛びついてしまうパターン。
夜は特にこの目視せずに食っている可能性が大です。水の振動や音で追っているわけです。
ワームの場合が多いのですが、ワームを食おうとして見失うということがよくあります。
ヒュッと近寄ってくるまではいいんですが、追い越したりして「あれ?どこ?」と探すんですね。

バスの目がいいならば、トップウォーターのただ引きで食い損ねるなんてことは稀なはずですが、
ポッパーやスウィッシャーのストップ&ゴーを食い損ねることはしょっちゅうです。 
彼らは目に頼る狩りはあまり上手くないのではないか。片目が潰れた魚もたまに釣りますし、
そんな状態でもでっぷりと太っていたりして数年は生きているようですから、
音、水の動きで狩りをしているのではないかと考えています。


次に縄張り意識。これは割とあるはずです。ナチュラルカラーのワームを何度投げても
無視していた見えバスが、8インチのチャートリュースのワームを5、6回投げ込むと、
怒り狂って追いはじめるということがあります。
「テメェ、何度もふざけんな」という声が聞こえてきそうです。

人間様がいて、釣り糸を垂れているのにこんな暴挙に出てしまう。
やはりバスも縄張り意識といいますか、快適な環境を好むようで、その快適空間を破壊する
侵略者は許せないのではないか。ジッターバグやバズベイトを引いていると、
スッとルアーの後ろまで高速で迫ってきて威圧するヤツがいるんですね。
自分の縄張りらしき範囲をルアーが離れると、またすごすごと同じ場所へ帰っていく。
スポーニングベッドがあるわけでもないようで、その縄張り周辺をルアーが通るときに顔を
出してくるんです。スイムベイトなんかを引いていると特に顕著で、ランカーサイズのバスが
真後ろに並んで泳いできたりしますが、それは仲間と思っているか、
追い出しにかかっているんですね。この場合はまず釣れません。

ただ、中には短気なヤツがいて、「もう我慢ならん!」と体当たりして、
ルアーの針が口の外側にかかるスレで釣れてしまうこともあります。
見えバスの場合、短気な魚は動きを見ていればわかります。ただ、短気なランカーは珍しい。
大抵の場合「ウザいヤツがいるから場所変えようぜー」と連れ立ってどこかへ行ってしまいます。
あの喪失感はいい表しようがありません。


さてさて、最後にエサと思った、食えるかと思ったというものがあります。
ザリガニの抜け殻を口に入れては吐き、つついて持っていっては
吐きを繰り返している20センチくらいのバスを見たことがあります。
さっきまで身が入っていたであろう抜け殻は、味もあって旨そうなんでしょうが、
どうも食い物ではない感じ。食えるかな?どうかな?とやっているわけですね。

フェザージグをやっていたときにずっと見守っているバスがいて、ジグが回収されるまで
追ってきて、遠くに投げるとまた着水音がするところまで泳いでいってジグを見ているんです。
メチャクチャ勉強熱心。そして健気で愛らしい。
まあ、こういう慎重派のバスちゃんは釣れないんですけどね。

見た目がエサに似ているかよりも、生命感が何よりも大切であるように思います。
見た目が○○ソックリ!よりも、まるで生きているみたい!(こんな生命体見たことないけど!)
の方が魚を引きつけるのではないかと。 

もしもそうであるならば、食欲を刺激するのは「動き」であるという次の仮説が立てられます。
となれば、ルアーを動かすことや、生命感あふれる動くルアーが大切になってきます。
ではどんな釣りをすればいいか。タックルはこのままでいいのか?このルアーでいいのか?
今までの釣りのスタイルが変わるかもしれませんね。

皆さんも一度「ナチュラルカラー」や「ルックス」という固定概念を捨てて、 
「動き」や「生命感」を主体とした釣りをはじめてみてはいかがでしょうか。
「魚はエサと思って食ってない」という仮説が、釣りの幅を大きく広げてくれるハズです。